4月、5月、6月と段階的に中途採用を行い、15名ほどの予定が立ち、すでに現在までで予定していた12名は研修を開始し、早い人ではすでに実習店舗へとフライトしてくれているようです。当社の歴史上でも類を見ない大量採用と、同時育成へと着手していますが、これまでに培ってきたノウハウと外部からのアドバイスを取り入れ、効果が期待できそうな教育研修を導入し、着実に成果に結びついている印象です。

巷の議論に度々登場する、働き蟻の法則は有名ですが、「100匹の働きアリを観察すると、そのうちの20匹(20%)が良く働き、60匹(60%)が普通に働き、そして残りの20匹(20%)が全く働かない状態になっている」(引用元)そうです。ちなみ働かないと言われるアリをかりに排除しても、結果また残った8割のアリの中で2:6:2の比率に分散すると言われています。

ところが面白い本があるそうで(ていうかまだ読んでないけど)ダイヤモンドメディア武井社長に昔紹介してもらった「働かないアリに意義がある」 っていう本があります。中身は簡単に言うと働き蟻の法則とは逆説的で、7割のアリはほとんど働いてなく、まして約1割のアリは全く働いていないということがわかってきたそうです。しかもよく働くアリがいなくなると、働かないアリの中から働くアリが出てくるのだそうです。

人間社会と昆虫の社会をそのまま紐付けて考えることは若干早計とも思いますが、それでもきっと2割のリーダーが8割の従者を従えることや、危機的状況では残された人の中からリーダーが誕生するという部分は人間社会にも当てはまる部分はおおいにあるのだと思います。元の働き蟻の法則でも軽視できない点があることと、働かないアリに意義があると言う点が現代経営学でも多分に取り上げられるダイバーシティ(多様性)と関連がありそうだということは、自然界とも近いことが人間界でも起きていると言ってもおかしくはないのでしょう。

でもまあ企業という集団と、アリの集団は、そもそもの存続の目的が大きく違う点は注意しなければならいと思います。企業は利益の追求は存続の条件ですし、アリの集団も女王アリが子供をたくさん生むことが存続の条件だと言う点は、親しいと定義できるかもしれません。ですが、企業は社会における存在価値がなければ利益を享受できませんが、アリが自然界にもたらす価値は当然食物連鎖の一部として役割を担っているのでしょうが、人間のそれとは若干違うような気がします。同じ人間に対して何らかの価値を提供する企業は、もっと複雑な条件下で活動しているでしょうし。

いずれにしても我々は人間ですから、アリのような無意識的な習性のみで生きていこうとすると、存続の是非を運任せにしてしまわざるを得ませんので、少し頭を使って運の要素を少しでも減らし、合理化した方法を見つけてくる努力をしても良いと思います。例えばTOP集団の育成に成功すれば、より母数を大きく増やしても組織を構造的に支えてくれるでしょうし、働かないと思われているアリに意義をもたせようと、意図的にダイバーシティを推進することも出来るのが、最強の生物に進化した人類の強みではないかと思います。

ということで、さらなる母数拡大のための幹部育成と、組織の問題提起を根底から起こせるダイバーシティ体制の構築のためにも、一見して働かないアリに活躍してもらう場所をたくさん作るという課題を抱えつつ、本社移転でもして人数の拡張に耐える計画を実行中の今日このごろでございます。

松田