このところ細部の見直しを繰り返す中で、経営の方針を明確にするのは大事だなと感じるようになってきました。企業は顧客と社員、関係者という人に囲まれて成り立つものですが、こういったステークホルダーに対してどんなことをコミットするかという意味で理念やビジョンも大事ですが、本音の部分では、ゴーイングコンサーンのスタイルを固める上で、経営方針がどうしても中心に来るように思います。

なんていうのか、うまい表現ができるのか自信はありませんが、理念やビジョンに包まれて、その中に経営方針が入っているような感じなのかなと思います。

経営方針と言うのは、憚らずに言えば財務体質の形かな、と思います。企業経営がどんな形(バイアウトも含む)であれ、ゴーイングコンサーン(事業継続)を目的としたものであれば、ファイナンスを軽く扱えることはありませんから、そのなかでどのようなファイナンスの方針にするのかが、経営方針(核)になるのではないかと思うんです。

これ、上場、バイアウト、 無借金経営、その他社長の個性によっていろんな形があると思いますが、どのようなものを目指すにせよ、BS(貸借対照表)と、PL(損益計算書)という決算書をどんな形で作り上げていくかというものが、経営方針なんだと思います。もちろんそれ以外にも経営には大切なことがあると思いますが、核となる方針と切り離すことのできないPLとBSは、そのまま経営計画の成果を表しているといえると思います。

ようするに、どのような形で事業を継続していくかに紐づく経営計画の核であるPLとBSが、すなわち経営方針の生み出した結果であり中身だ、と言えるような気がしてきました。例えばですが、モダンスタンダードはIPO(上場)を目指しておりませんが、継続的な成長のために、事業の最適化と、派生事業による収益ラインの増強は当然考えているわけですが、そのための資金調達財源として、銀行融資を柱に考えています。

そのためには、銀行与信に強いBSとPLというものがあるわけであって、特にBSのどの部分の数字に注目するかが肝要になり、その部分が強くなる経営体質(経営計画)にしていくかを「経営方針」に据えなければいけません。つまり資金調達に有利な方針を組む必要があるわけです。

こうして方針がガツンと決まれば、それに沿った経費配分を設定して、実質的な変動費と固定費をちゃんとふるいにかけて、いつでも切り捨てられる経費とそうでない経費を細かく部分最適していくことで、方針に則った経費設定が完成していきます。時に異論や批判があっても、方針にきちんと紐づく計画であれば、経費削減は妥当性も出てきますし、方針に沿わない経費の使い方は妥当性を欠くことになります。

何よりこの方針をきちんと理解できている人が幹部となってくれることで、より方針は厚みを増しますし、方針に対して忠実な人はイエスマンなどではありません。方針も理解できないまま、上司の指令にイエスとしか答えることができない人がイエスマンであって、方針を理解している人物は、優秀な方針の遂行協力者です。

つまり、人事においても、方針は非常に大きなバランスを占めてくるものですし、方針が組織の隅々にまで行き渡ることが、ほんとうの意味でのガバナンスだと思います。社長のカリスマ性も良いですが、方針の行きわたった組織のほうが、方針を理解したうえで、自主的に遂行できる人がたくさんいるでしょうから、社長の目が届かない場所でも、組織がダイナミックに稼働していけるようになるんじゃないかと思います。

続きを書けば長くなりそうなので、このへんで止めますが、今まで会社で起こってきた大小様々な問題の原因が、僕の経営方針の浸透していないところからだったことが、改めてクッキリと浮かび上がってきました。正直、方針自体は何年も前から僕の中ではかなり明確なのにもかかわらず、伝わっていないことで起きる問題がどれだけ多かったのか、もしくは方針に基づく人事であれば、どれだけの整合性を明確に主張できたのか、計り知れません。

この感じで方針の理解を深めていこうと思ってます。

松田