今日は、4半期一度の社長面談初日でした。このところ採用も戦略的に行い、育成に力を入れてきたせいもあってか、定着率も安定してきて何より研修生がのびのびと育ってくれているような気がします。事業部ごとに見ても以前と比べ新しいことにどんどん取り組めるような活気のある組織になってくれていてたくましい限りです。

そういうのってやっぱり幹部の成長なしには不可能だったわけで、少し前までのハリボテ幹部だった子たちとまるで別人のように成長してくれているのは、負けてられない思いで背筋が伸びます。

もう一つ昨日は幹部の勉強会をいつもの東京ベイコートクラブで行ったのですが、テーマはずばり「役職給制度」でした。当然報酬枠を経営計画から設定し、限られた枠の中ではありますが、枠自体が適正かどうかを含め、自分たちの給与を自分たちで納得行くカタチで分配していくための制度を議論してもらいました。

「求める側」からの提案ではなく「支払う側」からの提案を課題にして、自分たちへの報酬自体が自分たちが自分たちをどう説得し納得させるのかが重要な問題となっていたんですが、この議論はどうもデッドヒートだった模様で、仕事をどう捉えていくかという根本的な問題から避けて通れない議論だったようです。

僕の方から彼らに提供できるのは、あくまで答えではなく考え方やリソースの提案しかできませんが、その中で彼らが議論してくれるのは、ほんとうに有難いことだなとつくづく思います。いろいろ試行錯誤してきたんですが、僕はお金や権力によるヒエラルキー構造での組織構築が苦手なんだと思います。そういう構造であるためには自分自身がスーパーマンであり続け、平然とウソや隠し事を使いこなせるようにならなきゃいけないんでしょうけど、ちょっと面倒くさがり屋なので無理みたいです。

そんな肩こりそうなことやるくらいなら、理念とビジョンだけは共有してもらえたら、どんどんみんなに賢くなってもらって、言いたいこと言い合ってもらって、好きなことや、やってみたいことをバンバンやってもらったほうが、能力の低い僕のような社長には本当に都合がいいなって思います。中央集権型のリーダーはやっぱり天才じゃなきゃ作れませんし、ヘタしたら天才であっても不整合しか生まない気がします。

長らく答えを教えようと一生懸命主張を続けてきましたが、そもそもあれは何だったんだろうと思うくらい「シンドイことしてたよな~っ」て思うくらいです。「人とはこうあるべきだ!」「仕事はこうでなければいけない!」「世の中はこういうものだから君たちも割りきりなさい」「俺が答えを教えてあげよう!」・・・。全部自分がされたら「バーカ」って思うようなことを自分は他人にしてきたわけです。

目的を共有して、考え方を伝えるようにしてからは、答えはそれぞれが最適解を求めるようになりますし、切り口一つで考え方は多面的にならざるを得ないことに、本人たちが自覚を持ってくれるようになるわけで、そういう考えの多様性を受け入れられる人が増えるのは組織の厚みに直結するんだって思います。

まあ他愛もない話ですが、面談しててもみんな主体性が十分あるんで、今更社長がどうのこうの言わなきゃいけないってこともないですし、自分の考えや、自分なりの答えを持っている人に聞きたいことは、目的が共有できているかどうかの確認くらいしかないので、拍子抜けしちゃってるところです。

下地の強さを武器にして、下半期がどうなるか今から楽しみで仕方ない今日このごろです。

松田