12日ぶりのブログ更新です。かなり濃い内容の論文形式の記事で立て続けに書いてたのでやや疲れて充電してました(笑)

最近こんなことしてました
さてその代わりに、ここのところ僕が動いていたことなんですが、最近の会社の変動の中で揺れ動く社員のみんなの心理についてケアできればいいなと思ってコミュニケーションしたり、ヒアリングしたりで動いていまして、これはふと思いつきで行動したのですが、とても面白いことがわかってきましたので記事にしてみます。

現実と理想の間にいる人
お恥ずかしながら当社はこの一年くらいの間に理念などの浸透を図ってきています。しかしこの理念浸透について、従業員からするとある日突然経営者の気分にも近い感覚で理念なるものが導入され、それを共有せよとの指令のもと、極めて一方的にその理念を共有させられることになります。

もちろんそれは無数に散らばる重要なファクトを理論で紐付けて、一気通貫の強固な組織の共有ラインに変え、組織力の最大効率化を目的として経営サイドが立案したりするものでしょうから、成長フェーズ次第では致し方なく導入されるものでしょうし、実際に浸透すれば強大な組織力強化につながると思われます。

ですが、ある日突然青天の霹靂のように、会社全体の文化の土壌がマイナーチェンジされると、昔から居た人ほどびっくりしてしまいます。以前にも説明しました、創業期を支えるマインドと成長期・成熟期を支えていける文化は違うので避けては通れませんが重要な説明が抜け落ちてしまうことがあるとおもいます。

リーダーは「なぜ」から説明できなきゃいけないけれど
リーダーはなぜ(why)から説明しなければならないと言われていますが、そのなぜとはまさに理念だと思い込みがちです。正直僕自身、理念を説明しさえすればそれだけでわかってくれる人がいると思っていましたし、それを説明してわかってくれなければ、ともに会社として進む仲間ではないかもしれないと思っていました。

ところが、現場の人の中で理念がうまく伝わりきらない人たちに声を聞くと、面白い声がかえってきたんですね。それは、「理念はわからなくはないが、なぜ今の理念に変わったのかわからない」という、なんとも拍子抜けする声でした。こちらの一方的な理解を求める姿勢が生み出したまさに童話「裸の王様」のような声でした。

そこでしっかりと分析した自分の結論を説明しました
この声を受けて、こんこんとここ数日書きためてきたブログ記事を説明しながら、今会社がどんなフェーズに向かっていて、社長は心底何がしたいかといった現在の課題について"だけ"ではなく、なぜそのようなフェーズに進まなければならなかったのかという「歴史的背景」を細やかに説明してみました。

曇ってた顔が一瞬にして晴れやかになるという経験は少ない方ではなかったつもりですが、自社の社員の曇っていた顔が晴れる瞬間ほど手応えを感じると同時に、これまでにないほど申し訳ない気持ちになりました。ハラオチして仕事ができることは誰しも満足度を形成する重要項目の一つに違いありません。

「社長と飲もうの会」を旗揚げしました
ただただ理念を掲げる乱暴なスタイルではなく、なぜそのような理念を掲げるに至ったかという重要なステップを端折ってしまったことを後悔しつつも、重要なこのステップの説明が不足していた社員全員に伝えなければいけないなと思うようになり、そういうスタッフを集めて「社長と飲もうの会」を旗揚げしました。

会社が変わっていく激動の歴史の中で、意に介さない変化が起きた時に、その説明がなければ憤ったり、投げやりになったりするのは、彼らだけの責任ではありません。最高責任者として自分の気持ちをどんなに人が増えていっても、手抜きなしに伝えていかなきゃいけません。

尊大な人ほど考えにいたる経緯の説明をつい忘れたり嘘をつく
会社において社長が一番説明を怠っているような企業が、健全な成長なんてするわけがないです。ただ、社長自身が調子に乗ったり、尊大になって、説明なしにわかってくれる人を贔屓したくなる気持ちが強くなるのかもしれませんが、誰にでもわかりやすく説明し、そのうえでのアグリーメントが得られなければ仕方ないです。

そうではなく、手抜きの説明で理解してくれない人を排除したり遠ざけてしまうようなバカ社長にだけは、絶対になりたくないなと思いながら、自分自身そういった社長だったことを今更ながら反省しています。この状況でできることは、恥をかいてみんなにその歴史的経緯を理解してもらえるように務めることだと思いました。

まとめ
ずぼらで間抜けで、勉強嫌いな人間が自分の器も顧みず、世間に対してパフォーマンスするのは結構ですが、せめて自分の情けない恥の一つも堂々と晒して、己の未熟さをきちんと説明し、そのうえで賛同してくれる人を大切にする気持ちだけは忘れないようにしようと思いました。

じゃなきゃ社長なんていうリスキーな仕事、辞めたほうが身のためですもんね(笑)

松田