うちうちの話になりますが、少し以前にマネジメント能力が未熟なマネジャーのマネジメントフィーを減俸したことがあります。当然その時の反応は、社長相手には見せないけれど、給与が下がったことへの不満気な表情や、声に聞こえてきたりするものですが、もちろん僕はお構いなしです。

そういうふうに書くと、なんだか僕が横暴な暴君のように聞こえるかもしれませんが、もちろんマネジメントの中身を論理的に解説し、評価に値する箇所とそうではない箇所、もっというと本人達が説明の付かない箇所を、一つづつめくっていくと、簡潔に理解できる内容であり、やはり文句が出ないものだったと思います。

当然指摘をするのが僕の仕事ではないわけですから、目的の裏付けと具体的説明、改善提案を元に仕組みの改善を、僕自信が頭捻って考える必要があったわけでして、コレに関しては懇切丁寧に、とまでは行かないかもしれませんが、 ずいぶん詳細を砕いて仕組みを再構築してきました。(もっとやるつもりですが)

そんなこんなで、いわゆる仕組みを構築して、マネジャー全員納得の上で、何を正当に評価されるべきかも問問答を繰り返し、具体的施策に落としこんできました。結局のところそれらの改善された仕組みを使用してマネジメントを行うことで、彼ら自信も納得行くような成果につながってくるわけです。

以前から何度も書いてきたことなんですが、結局僕が一人でいくらわかっていても、現場のマネジャーやスタッフが意図を汲み取れないことにはパフォーマンスなんて一向に向上したりしません。だから理解できる思考力と、理解できるような解説能力がお互いに必要だったし、習得できたらコレ以上なくスムーズでした。

ですが、思いの外パフォーマンスには直結し始めてきたんですが、ついついありがちなのが、今まで以上にパフォーマンスが出ていることに、妙な安心感が出てくるというか、十分にやってるんじゃないかと思い込みやすいシチュエーションが出来上がってしまうんですね。まあ、仕方ないことなんでしょうけど。

でも、仕組みを作った側から言えるのは、仕組みにできることは最低限のパフォーマンス維持であって、現場に求められるのは無限に上振れしていく、マネジメント力だと僕は考えてるんですね。つまり、あとひと押しとか、限界1%の壁とかは、仕組みじゃ突破できないし、こればっかりは人間の力だと思うんです。

先程述べた、マネジャーの給与の見直しは、最低限の仕組みでリカバリされている部分を評価しないで、仕組み以上のパフォーマンスにつながるマネジメントの力を発揮できたかどうかに依存する給与体系にしたってことだったんですね。そうすると具体的には書けませんが、一見給与は下がったように感じます。

でも。それ以上に仕組みが精度を増してフォローアップするようにチューニングしているわけなので、言われたとおりに仕事するだけで、ある程度の成果が出てしまう仕組みが出来上がってしまってるわけです。もちろん僕一人で作るわけではなく、マネジャーの意見も参考にしながら作ってます。

ですが最低限を維持するための仕掛けは、今回の当社の事例では、僕が仕掛けの制作指揮をとってる以上TOPマネジメントに依存してしまってる部分であって 、ここは現場マネジャーとは一旦関係がありません。そしてもちろん、前述のとおり、仕組み以上のパフォーマンスこそが現場の力だと僕は思うんです。

もう一つ苦境として、うまくいかない時っていうのもありますが、このうまくいかない時って云うのは、悪い部分が大体見えてくるものでしょうから、いくらでも好転する伸びしろが見えるシチュエーションです。だからやっぱり、うまく行ってる時の”それ以上”にこそマネジャーの腕が関係してくるんじゃないかなって思います。

なので、マネジャーには好調の時ほど、腕の見せどころだってことを理解していてもらいたいですね。 

松田